いろんなものはつながっている

時間の分子生物学

イケダハヤト氏のブログでこの本を知り、おもしろそうと思い読んでみた。

前半は、生物が持っている時計(生物時計とよんでいる)の仕組みと、仕組みが解明されていく過程の説明があり、後半は分子生物学的な立場からの睡眠の話となっている。

ぼくが興味をもったのは前半の生物時計に関する部分。

生物時計は体のどこにあるのか?

時計って基準となるものだから、時計の機能って脳にあるのではという印象のとおり脳の視床下部にあるSCNとうい直径1~2ミリの小さな場所にある約1万の神経細胞が時計の役割を担っている。また、1万個の細胞が連携してひとつの時計を成しているのではなく、小さな時計が集まって大きな時計を形成している。したがって、それぞれの細胞がうまく同調する仕組みが備わっているとのこと。

この話を読んで最初ばらばらであったメトロノームが同期していく実験映像を思い出した。

なんと、すべての細胞が時計をもっている

驚くことに、時計の機能をもっているのはSCNだけでなく、すべての細胞が時計の機能をもっているとのこと。SCNは精度の高い時計で、その他の細胞はSCNにちょくちょく時間を問い合わせて自分の時計のずれを補正しているとのこと。うーん、すごい。

人間とハエの時計をつかさどる遺伝子は同じ?

もうひとつ、驚くことは、時計機能つかさどるハエの遺伝子と哺乳類の時計機能をつかさどる遺伝子がほとんど同じという点。実際にハエの該当遺伝子と哺乳類の該当遺伝子を入れ替えても時計が機能するというのが実験で確かめられているとのこと。

これを発見したときの研究者の興奮を想像するだけでも楽しい。

どうやって時間をはかっているのか?

あるタンパク質が24時間周期で増減していて、それで時間はかっている。

そもそも、遺伝子とはなんなのか→タンパク質の設計図

人体はざっくりいってタンパク質のかたまりなわけで、そのタンパク質を作る設計図がDNAということになる。ただ、DNAに書かれている情報すべてがタンパク質を作る情報かというとそうでもなく、その一部しか使われない。

余分な部分を含めて生物がもっているDNAを全部をゲノムとよび、その中でタンパク質として使われる情報を遺伝子とよぶ。使われない部分は遺伝子とはよばない。

遺伝子はmRNAにコピーされ、mRNAの情報をもとにタンパク質を作成する。

前述の生物時計に関する重要は発見がされたのが1997年。ぼくが、DNAやらmRNAやらといった内容の授業を教養時代にうけたいたのがちょうどその時分。ちょうどこんなおもしろい発見が当時されていたのに、何にも知らないとは、アンテナが低かったよな、と思う。

遺伝子の研究のアプローチ

ひとつは、病気から、病気の遺伝子を見つける方向。こちらは方法論的には確立しているのでその病気の遺伝子に到達できる可能性が高いのですが、時間と労力がかかります。いわば正攻法です。(中略) それに対して最初に機能のわからない遺伝子があり、その機能を探索するという方向もある。こちらの場合、遺伝子情報は最初からあるので昨日がわかってしまえばすぐに研究は完成します。

とある。

言葉ではさらっと書いてあるけど、この遺伝子研究の背景には、特定の遺伝子のみを早く探す技術や、特定の遺伝子のみ増幅させる技術等々、方法論のブレークスルーが何回もあったんだろうなと想像する。

そういえば、以前読んだ「生物と無生物のあいだでのなか」で何か分子生物学の分野でブレークスルーをもたらした方法論の説明があったことを思い出し読み直してみた。

それは、PCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)とよばれる、30億個もあるヒトゲノムから特定の文字列を探して増幅する技術で、
Wikipediaにわかりやすい図がのっていた。

生物時計の4つの条件

生物時計には4つの条件がある。

1.自律的に動くこと
2.外から調整できること。

この1,2はそもそも時計であることの最低条件あるといえる。
時計であることの最低条件に加えて、生物時計では

3.時計の針が一周するのに約24時間
4.温度変化等の環境変化に対して安定している

という条件が追加される。

大学院のとき、自分のいた部屋の1つ上のフロアが生物系のラボだったけど、もっとちゃんといろいろ話を聞いておけばよかったな。。

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